1. イルベタン・イルトラの販売中止スケジュールと経過措置期間
塩野義製薬より発表された、今後のスケジュールは以下の通りです。
- 出荷終了予定時期: 2028年4月以降(メーカー在庫消尽をもって終了)
- 経過措置品目への移行: 2028年4月予定
- 経過措置期間満了(薬価削除): 2029年3月末日予定
500錠(瓶・バラ・PTP)や700錠(PTP)などの大容量包装は、すでに2024年12月の時点で販売中止・在庫消尽に移行しているため、手元の在庫状況や包装形態の確認が必要です。
2. イルベタン錠の代替候補(公式案内)
本製品の販売中止にあたり、公式案内で増産対応企業として提示されている後発品(イルベサルタン錠)は以下の通りです。
- 大原薬品工業: イルベサルタン錠50mg/100mg/200mg「オーハラ」
- 日医工: イルベサルタン錠50mg/100mg/200mg「日医工」
3. イルトラ配合錠の代替候補と変更時の注意点
合剤である「イルトラ配合錠(LD/HD)」に関しては、代替候補として成分を別々にした「2剤併用」の組み合わせが提示されています。
- イルトラ配合錠LDの代替: イルベサルタン錠100mg + フルイトラン錠1mg(トリクロルメチアジド錠1mg)
- イルトラ配合錠HDの代替: イルベサルタン錠200mg + フルイトラン錠1mg (トリクロルメチアジド錠1mg)
⚠️ 運用の注意点
配合錠から単剤2剤への併用へ移行する場合、患者の服薬数が1錠から2錠へ変更となるため、処方変更に伴う医師への確認(疑義照会など)や、患者への丁寧な説明が必要となります。
4. 他の選択肢(アバプロ・AG)を考慮する場合の実務
今回の塩野義製薬の通知には、共同開発・併売関係にある先発品「アバプロ(住友ファーマ)」や、そのオーソライズド・ジェネリック(AG)である「イルベサルタン錠『DSPB』」についての記載はありません。
しかし、現場実務における代替薬選定においては、公式案内にある「オーハラ」「日医工」以外にも、一般名処方(イルベサルタン)の枠組みや自店の採用状況に応じて、以下の製品への切り替えを検討することも選択肢に含められます。
- アバプロ錠(住友ファーマ): 同一成分の先発医薬品ブランド
- イルベサルタン錠「DSPB」(住友ファーマ): 先発品アバプロと同一のオーソライズド・ジェネリック(AG)
公式案内の提示製品に限定せず、自店の在庫状況、普段取引のある卸との兼ね合い、医師の処方意図などを総合的に考慮し、各薬局の状況に合わせた最適なルートを選択することが推奨されます。
5. まとめ:2029年3月末の経過措置満了に向けて
イルベタン・イルトラの経過措置満了(薬価削除)は2029年3月末日の予定です。以下のステップで計画的に対応を進めましょう。
- 自店の在庫数(特にすでに在庫消尽に移行している大容量包装など)を確認する
- イルトラ配合錠の変更に伴う「2剤化」の影響を把握し、事前の体制を整える
- 公式案内の後発品だけでなく、AG(DSPB)等も含めた自店に最適な移行先を決定する
不動在庫を出さないよう、計画的な在庫コントロールを進めていきましょう!
