デッドストック解消に便利! 薬の不動在庫買取サイト【オススメ4選】

「最近あの患者さん来ないな…」

 1人の患者さんのためだけに用意してある薬がデッドストックになってしまうことはよくあります。使わなくなったから引き出しの奥に仕舞い込んでしまい、結局は廃棄処分…。

 こんなことになる前に使いたいのが薬の不動在庫買取サイト

 薬の不動在庫買取サイトは既に多くの薬局で利用されていますが、今回は私が実際に利用してみてオススメしたいサイトを4つ紹介します。

薬の不動在庫買取サイトとは?

 不要になった医薬品の買取をしてくれる不動在庫買取サイトは、取引の形態によって主に買取型仲介型に分けられます。

 買取型の不動在庫買取サイトは、薬局が不要になった医薬品を買取会社に売却し、買取会社が薬局から買い取った医薬品を他の薬局に販売するサイトで、リサイクルショップみたいなものです。
 一方、仲介型の不動在庫買取サイトは、仲介会社が薬局間の医薬品の売買を仲介するサイトで、フリマサイトみたいなものです。

 どちらのタイプの不動在庫買取サイトにもメリット・デメリットが存在し、取引できる医薬品の種類もサイトによって異なります。

薬の不動在庫買取サイトで取引可能な医薬品は?

 ジェネリック医薬品の普及によって、日本国内で流通している医療用医薬品の数は2万品目を超えるまでに増加しています。1つの先発品に対して20品目以上のジェネリック医薬品が存在するようなものもあるので当たり前ですね…。ただし、これら全ての医薬品が不動在庫買取サイトで取引できるかというと、そういうわけでもありません。

医薬品の買取がNGな場合とOKな場合がある

 麻薬や覚せい剤原料など法的な制限のある医薬品は買取NGとなっていますが、向精神薬は一部を除き買取OKな場合が多いようです。

 医薬品の買取は製造番号の確認が取れれば基本的にOKになることが多いようですが、外箱・添付文書が無いと買取NGになる不動在庫買取サイトもあるので、1人の患者さんのためだけに用意している医薬品などは外箱・添付文書を廃棄せず保管しておくことをオススメします。
 ちなみに開封済みのバラ包装の錠剤や散剤、水剤は容器内の薬剤と外箱の製造番号が一致しているかどうかの確認が取れないので基本的に買取NGになります。

 その他に、注射や坐剤など温度管理が必要な医薬品の買取はサイトによって対応が異なるので、買取サイト各社の買取Q&Aを確認しながら売却を検討するといいかもしれません。

オススメの薬の不動在庫買取サイト4選

 薬の不動在庫買取サイトには、買取型(薬局が不要になった医薬品を買取会社に売却し、買取会社が薬局から買い取った医薬品を他の薬局に販売するサイト)と仲介型(仲介会社が薬局間の医薬品の売買を仲介するサイト)があるわけですが、ここでは実際に私がよく使っているサイトを4つ紹介します。
 サイトによって買取できる医薬品の種類も変わってくるので、詳細なサービス内容は各買取サイトのウェブサイトにてご確認ください。

みんなのお薬箱(買取型)

 処方せん送信サービスでおなじみの株式会社くすりの窓口が運営する薬の不動在庫買取サイト。加盟薬局が1万店を超えているため、サイト内で流通している薬も非常に多いのが特徴です。

 売却したい医薬品の見積を取り、見積り価格を確認してから買取センターに発送することもできますが、売却品目数が多いため見積作業をする時間も無い場合などには、とりあえずまとめて買取センターに発送して検品・査定作業を全て任せてしまうこともできます。査定金額に納得できない場合には返送してもらうことも可能ですが、返送に係る配送料を負担しなくてはならないため、できる限り事前に見積を取ってからにした方がいいかもしれません。

 ちなみに後ほど紹介しますが、みんなのお薬箱には今回紹介した買取型の不動在庫買取サイトの他に、薬局が1品ずつ自分で落札価格を設定できる仲介型のサイトもあります。買取型のサイトと比べると色々と手間はかかりますが高値での取引を狙えるので、高薬価品は仲介型のサイト、それ以外は買取型のサイトと使い分けるのも面白いかもしれません。

ファルマーケット(買取型)

 電子薬歴や在庫管理システムを提供する株式会社KAKEHASHIのグループ会社が運営する薬の不動在庫買取サイトで、加盟薬局は8,000店を超えています。
 株式会社KAKEHASHIが提供する在庫管理システムと組み合わせることにより、よりスムーズに不動在庫を圧縮することが期待できます。

 みんなのお薬箱(買取型)と同様に、事前に売却したい医薬品の見積を取ってから買取センターに送るか、事前に見積を取らずにまとめて買取センターに医薬品を送ってしまう『まとめて査定』のどちらかを選択できます。『まとめて査定』で査定金額に納得できず返送する場合には配送料がかかってしまうので、できる限り事前に見積を取ってからにすることをオススメします。

 デッドストックになってしまった医薬品を手間なくまとめて売却してしまいたいが、できるだけ高く買い取ってほしい。そんなときには少し手間はかかりますが、みんなのお薬箱とファルマーケットの2つのサイトで見積を取ってみるといいかもしれません。

みんなのお薬箱(仲介型)

 買取型の不動在庫買取サイトとして紹介したみんなのお薬箱ですが、仲介型のサイトを選ぶこともできます。仲介型のサイトでは、医薬品の売却を検討している薬局が落札価格を自由に設定して出品し、それを見た他の薬局が落札する流れになるので、今回紹介するサイトの中では最も高い金額で取引できる可能性があります。
 ただし出品作業から梱包・配送手配までを自分で行わないといけないため手間はかかります。売却を予定している医薬品の中に高額なものがなければ、買取型の不動在庫買取サイトにまとめて売却してしまった方が楽かもしれません。

リバイバルドラッグ (仲介型)

 神奈川県を中心に複数の薬局を展開する有限会社カバヤが運営する仲介型の不動在庫買取サイト。このサイトの一番の特徴は、薬局間の医薬品の売買を仲介するサイトであるにも係わらず、出品作業から梱包・配送手配までしてくれるためほとんど手間がかからないことです。

 医薬品の売却を検討している薬局は、リバイバルドラッグにまとめて医薬品を発送するだけでOK。その際、まとめて買い取ってくれる買取型の不動在庫買取サイトのように事前の見積はありません。これは、出品してみないといくらで売却できるか分からないからです。
 落札価格は医薬品の使用期限に応じて自動的に決まるため、自由に価格を設定できる同じ仲介型のみんなのお薬箱よりも低い価格になることが多いようです。

 買取型の不動在庫買取サイトと仲介型のサイトのいいとこ取りをしているようなリバイバルドラッグですが、気をつけなければいけないこともあります。それは、最初に書いたとおり出品してみないと売却できるかどうか分からないこと。とりあえずまとめてリバイバルドラッグに送ったはいいが結局落札されずに使用期限切れなんてことも考えられます。
 出品した医薬品の使用期限切れを防ぐためにも、数ヶ月に1度くらいは長期間落札されていない品目をチェックした方がよさそうです。

薬の不動在庫買取サイトの便利な使い方

一般の流通で手に入りづらい薬が見つかる可能性がある

 薬の出荷調整等があった場合、購入実績が無いと医薬品卸から購入することが難しい場合があります(実績があっても購入できない場合も多々あります)。そんなとき、出荷調整中の薬が不動在庫買取サイトで見つかる場合が意外とあります。
 ただし、そういった希少価値の高い薬は人気も高いため、買取サイトを頻繁にチェックする必要があります。

買取型と仲介型の不動在庫買取サイトを併用する

 不要になった薬を買い取ってくれる不動在庫買取サイトですが、せっかくなら可能な限り高い価格で売却し、できる限り廃棄する品目数も少なくしたいところです。そこで、買取型と仲介型の不動在庫買取サイトを併用する方法をオススメします。

最初は仲介型の不動在庫買取サイトに薬を出品する

 まとめて買取会社が薬を買い取ってくれる買取型の不動在庫買取サイトと比べ、仲介型の不動在庫買取サイトは比較的高い価格で取引することができます。そのため最初は仲介型の不動在庫買取サイトで不要になった薬を出品し、高額での取引を目指します。

一定期間経過しても落札されない薬をチェック

 仲介型の不動在庫買取サイトでは、出品後に長期間落札されずに売れ残る薬が出てくる場合があります。そんなときは数ヶ月に1度くらいの頻度で売れ残りリストをチェックし、場合によっては一旦出品を取り下げて買取型の不動在庫買取サイトにまとめて売却してしまえば、廃棄する薬の品目数を少なくできる可能性があります。
 その際に注意する点は、出品を取り下げた薬を返送してもらう際の配送料買取型の不動在庫買取サイトに薬を発送する際の配送料がかかる可能性があるので、それらの配送料を計算してマイナスになるようならば、期限切れ覚悟で出品し続けた方がいいかもしれません。

オススメの薬の不動在庫買取サイト4選まとめ

 オススメの薬の不動在庫買取サイトを4つ紹介してきましたが、まとめると以下のようになります。

 買取型の不動在庫買取サイト(薬局が不要になった医薬品を買取会社に売却し、買取会社が薬局から買い取った医薬品を他の薬局に販売するサイト)
 仲介型の不動在庫買取サイト(仲介会社が薬局間の医薬品の売買を仲介するサイト)

サイト名買取・落札
価格
メリットデメリット
みんなのお薬箱(買取型)低いまとめて送るだけ
事前に見積可能(※)
買取価格が低い
ファルマーケット(買取型)低いまとめて送るだけ
事前に見積可能(※)
買取価格が低い
みんなのお薬箱(仲介型)高い価格を自由に設定可能手間がかかる
リバイバルドラッグ(仲介型)普通まとめて送るだけ出品後の使用期限切れ
※ 薬の状態によっては見積段階で買取OKになっても本査定で買取NGになることもあります

 以上、私がオススメする薬の不動在庫買取サイトを4つ紹介させていただきました。今回紹介したサイト以外にも薬の不動在庫を買い取ってくれるサイトは複数存在しており、それぞれのサイトにメリット・デメリットがあります。使用期限切れで廃棄になる薬を少しでも減らし、効率的な薬局運営を目指していきましょう。

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