1. ベザトールSR錠の販売中止・経過措置スケジュール
キッセイ薬品工業より発表された、今後の供給および経過措置スケジュールは以下の通りです。規格によって出荷終了時期が異なるため注意してください。
- 最終出荷予定時期:
- ベザトールSR錠100mg: 2027年1月頃
- ベザトールSR錠200mg: 2026年11月頃
- 経過措置期間満了(薬価削除見込み): 2027年3月31日
薬価から完全に削除される経過措置満了は2027年3月31日を見込んでおり、出荷終了から完全に使えなくなるまでの期間が非常に短いスケジュールとなっています。計画的な切り替えが急務です。
2. なぜこのタイミングで販売中止?背景として考えられる要因
公式案内には「諸般の事情」としか書かれていませんが、これまでの市場動向と直近の改定から、背景として以下の要因が影響している可能性が考えられます。
- 後発品の拡大による需要の激減 ベザトールSR錠の市場は、すでに安価な後発品(ベザフィブラート徐放錠)の台頭・拡大によって大部分が置き換わっており、先発品としての需要は以前に比べてほとんどなくなっていました。
- 2026年4月薬価改定の影響 さらに、2026年4月の薬価改定において、先発品であるベザトールSRの薬価が後発品と同等レベルまで引き下げられたという事実があります。需要が激減している中で、製造コストがかかる徐放錠(SR錠)を後発品と同じ薬価で維持し続けることが商業的に困難になったことが、今回の急な販売中止やタイトな経過措置スケジュール(2027年3月末満了見込み)へ繋がった一因である可能性が推測されます。
2026年4月に「先発品戻し」をした薬局にとっては痛い一撃
今回の販売中止、現場で特に大きな影響を受けそうなのが、「2026年4月の薬価改定で薬価が並んだことをきっかけに、ベザトールSRに処方を戻した(一本化した)」という薬局ではないでしょうか。
後発品の供給不安が続く中、「薬価が同じなら、安定感のある先発品に戻そう」という判断は実務上非常に賢い選択でした。しかし、そのわずか数ヶ月後に今回の販売中止案内が重なるという、現場にとっては非常にタイミングの悪い結果となってしまいました。
薬価が並んだ先発品への「安易な買い戻し」に潜む罠
「薬価が同じなら先発品に戻そう」という目先の判断には、メーカーの「不採算撤退(販売中止)」に巻き込まれるリスクが潜んでいます。
安易に先発品へ戻した結果、今回のケースのように短期間で販売中止になれば、「患者さんへ再度説明して別の薬へ切り替え直す」という二重の労力が現場に発生してしまいます。
「後発品と薬価が並んだ先発品」を見つけても安易に飛びつかず、メーカーの撤退リスクまで見据えた慎重な採用判断が必要な時代になっています。
3. 公式の代替候補品「パルモディア」と変更時の注意点
案内文で公式の代替候補品として提示されているのは、興和株式会社の以下の製品です。
- パルモディア錠0.1mg
- パルモディアXR錠0.2mg/0.4mg
⚠️ パルモディアへ切り替える際の重大な注意点
案内文にも明記されている通り、パルモディアはベザトールSRと「有効成分や用法及び用量等が異なります」。 同じフィブラート系薬ではありますが、成分そのものが変わる(ベザフィブラート ➔ ペマフィブラート)ため、薬局の判断だけで代替調剤することはできません。医師への確認や、処方せん自体の変更が必要となるため、現場での負担や患者への説明が必要になります。
4. 現実的な選択肢:他社メーカーの「ベザフィブラート徐放錠」
公式の案内文にはパルモディアしか載っていませんが、実務において成分や用法・用量をそのまま維持したい場合は、他社が製造している代替品の「ベザフィブラート徐放錠100mg/200mg」へ移行するのが自然な流れでしょう。
5. まとめ:2027年3月末の経過措置満了に向けて薬局がすべきこと
ベザトールSRは2027年3月末で経過措置満了(見込み)となっています。
- 自店のベザトールSR(100mg/200mg)の在庫数を把握する
- 特に直近(2026年11月頃)で出荷が終了する「200mg」の在庫コントロールを優先する
- 成分変更の「パルモディア」か、同一成分維持の「他社ベザフィブラート」か、自店に最適な移行先を決定し、必要に応じて門前医へ情報共有する
デッドストック(不動在庫)を抱えないよう、今から計画的に準備を進めていきましょう!
