■ はじめに:2026年4月、リセドロン酸市場の大きな転換点
骨粗鬆症治療の現場で広く使われている「リセドロン酸Na錠17.5mg」(先発品:アクトネル錠17.5mg、ベネット錠17.5mg)。2026年3月までは12社ものメーカーが競合していましたが、2026年4月以降、その市場図は大きく塗り替えられました。
多くのメーカーが経過措置期限を迎える中、一部で期限延長の動きも見られますが、その実態を正確に把握しておくことが、現場の安定供給体制を守る鍵となります。
■ 経過措置期限の延長と、販売中止に伴う「猶予期間」
最新の情報では、以下の2社の経過措置期限が 令和9年(2027年)3月31日 まで1年間延長されました。
- 富士製薬工業(「F」)
- ニプロ(「NP」)
しかし、ここで注意が必要なのは、この2社はすでに販売中止を案内しているという点です。今回の期限延長は「今後も長期的に供給が続く」ことを意味するものではなく、あくまで「流通在庫を使い切り、他社製品へ切り替えるための猶予期間」に過ぎません。
■ 12社から「継続5社」へ。進む品目整理
2026年3月までは12社あったのが、2026年4月以降、以下のような構成に集約されました。
【リセドロン酸Na錠17.5mg:メーカー別 経過措置・供給状況一覧(2026年4月現在)】
| ステータス | 製造販売業者 | 屋号 | 経過措置期限 | 備考 |
| 供給継続 | 沢井製薬 | 「サワイ」 | - | |
| 供給継続 | 東和薬品 | 「トーワ」 | - | |
| 供給継続 | 日医工 | 「日医工」 | - | |
| 供給継続 | 日新製薬(山形) | 「日新」 | - | |
| 供給継続 | 日本薬品工業 | 「ケミファ」 | - | |
| 販売中止 | 富士製薬工業 | 「F」 | R9.3.31 | 経過措置延長(在庫限り) |
| 販売中止 | ニプロ | 「NP」 | R9.3.31 | 経過措置延長(在庫限り) |
| 経過措置終了 | 共創未来ファーマ | 「FFP」 | R8.3.31 | 2026年3月末で終了 |
| 経過措置終了 | 日本ジェネリック | 「JG」 | R8.3.31 | 2026年3月末で終了 |
| 経過措置終了 | ヴィアトリス・ヘルスケア | 「VTRS」 | R8.3.31 | 2026年3月末で終了 |
| 経過措置終了 | 高田製薬 | 「タカタ」 | R8.3.31 | 2026年3月末で終了 |
| 経過措置終了 | Meiji Seika ファルマ | 「明治」 | R8.3.31 | 2026年3月末で終了 |
2026年3月までの12社体制から、今後も安定供給を担うプレーヤーは事実上「5社」にまで絞り込まれたことになります。これはリセドロン酸に限らず、近年のジェネリック医薬品市場における「品目集約」の象徴的な動きと言えるでしょう。
■ 現場の管理職・薬剤師が意識すべきポイント
この状況下で、店舗管理者が意識すべきは以下の2点です。
- 「延長=供給継続」ではない: 販売中止が決まっている製品(「F」、「NP」)については、延長期間を「在庫を計画的に消化し、他社品への切り替えを完了させるための期間」と定義し、デッドストック化を防ぐ必要があります。
- 供給集約への備え: 12社から5社へ需要が集中することで、継続メーカーの供給負荷が高まる可能性があります。特定のメーカーに依存しすぎず、卸との情報共有を密にすることが重要です。
■ まとめ:安定供給を見据えたメーカー選定を
リセドロン酸Na錠17.5mgの事例は、ジェネリック医薬品が「多品目乱立」から「供給責任を伴う集約」へと移行していることを示しています。
「どのメーカーが残り、どのメーカーが退場するのか」という動向を正確に把握し、現場での混乱を防ぎながら、安定して患者様に薬を届けられる体制を整えていきましょう。
