2024年10月から選定療養がスタートし、以前にも増して後発品(ジェネリック医薬品)の使用量が増えている反面、不動在庫(デッドストック)になってしまっている先発品がかなり多くなっているのではないでしょうか。
このサイトでは薬の使用期限を調べるのに便利なコンテンツを用意していますが、使用期限が残っていることは分かってもその薬を使う患者さんがいなくて結局廃棄処理になってしまうということも起こります。
使用期限が残っているのに不動在庫化して使えない薬をどのように有効活用するか、それならば薬の不動在庫買い取りサービスを利用して現金化するのがオススメ。
薬の不動在庫買い取りサービスとは?
既に多くの医療機関・薬局でも不動在庫買い取りサービスを導入しているようですが、このサービスを利用すると医療機関・薬局で不動在庫になって使わなくなった薬を買い取ってくれます。
細かい利用方法は不動在庫買取サービス各社によって異なりますが、基本的に開設許可証があれば簡単に利用開始できます。
買取可能な薬の種類・条件も不動在庫買取サービス各社によって異なりますが、不動在庫が増えて困っている医療機関・薬局があれば是非利用することをオススメします。
薬の不動在庫買い取りサービスで売却するといくらになる?
薬を廃棄するくらいならば売却してしまったほうがいいに決まっていますが、薬の買取価格がいくらくらいになるのかは非常に気になるところ。
サービス各社を比較すると、薬の買取価格は以下のような条件によって変動しているようです。
- 残存使用期限
- その薬の需要
- 出品型か買取型か
一番大きいのは使用期限がどの程度残っているのか。あまりにも使用期限が短い場合、買い取り自体を断られることもあります。薬価改定によって薬価ダウンになる場合も買取価格が下がるので十分注意が必要になります(逆に薬価改定で薬価アップになる場合は薬価改定後に売却するのがお得)。
そして、出品型か買取型どちらのサービスを利用するかによって買取価格や手間、廃棄リスクなどが異なってきます。
薬の不動在庫買い取りサービスの【出品型】と【買取型】とは?
薬の不動在庫買い取りサービスを提供している会社は複数ありますが、概ね出品型か買取型に大別されます。以下に私が利用したことのある不動在庫買い取り大手4サービスを経験に基づいて大まかに比較してみました。
【不動在庫買い取り大手4サービスの比較】
サービス名 | タイプ | 買取価格 | 手間 | 廃棄リスク |
リバイバルドラッグ | 出品型 | 並 | 簡単 | 高い |
みんなのお薬箱(出品) | 出品型 | 高く設定可能 | 手間 | 高い |
ファルマーケット | 買取型 | 安い | 簡単 | 低い |
みんなのお薬箱(買取) | 買取型 | 安い | 簡単 | 低い |
まず、出品型と買取型の違いですが、
- 出品型:薬の買い手がつかないと現金化できない(廃棄リスク高い)が、買取型のサービスよりも高価格で買い取りされやすい
- 買取型:出品型のサービスより低価格での買取になりがちだが、買取OKな薬はほぼ確実に買い取ってもらえる(廃棄リスク低い)し、不動在庫買い取りサービスの会社に売却希望の薬をまとめて送るだけなので手間がない
ざっくり説明すると上記のような感じになります。
結局どのサービスをするのがいい?
どの不動在庫買い取りサービスを利用するかはそれぞれの考え方次第といえます。
比較的低薬価の薬が多く手間や時間をかけたくないのであれば、買取型のサービスを利用して不動在庫をまとめて送りつけて買い取ってもらうのが手っ取り早いでしょう。
一方、比較的高薬価の薬が多く少しでも高額で売却したいのであれば、みんなのお薬箱(出品)を利用して手間や時間をかけて出品し、高額で落札されるのを待った方がいいのかもしれません。
手間や時間もかけたくない、でもそこそこの金額で売却したい、という欲張りな方にはリバイバルドラッグが合っているかも。買取型のサービスのように不動在庫をまとめて送りつけるだけで薬の出品から落札者への配送作業までを代行してくれるので手間がかかりません。ただ注意点として、リバイバルドラッグは買取型のサービスではないため、どの薬が売れ残っているのか時々確認しておかないと期限切れで廃棄処分となってしまう点。
賢い利用方法としては、最初に出品型の不動在庫買い取りサービスを利用してできる限り高額で売却し、一定期間売れ残った薬を買取型の不動在庫買い取りサービスを利用してまとめて現金化してしまう方法。