敷地内薬局 どういった場合が該当する?

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これまで数十件の薬局開設に関わってきましたが、国の方針によってコロコロと考え方が変わる敷地内薬局には本当にウンザリします。今回は、複数の敷地内薬局案件に携わってきた経験から、敷地内薬局にならないように薬局開設を進める上で注意する点について解説します。

敷地内薬局とは?

敷地内薬局とは、一般的には「医療機関の敷地内にあり、医療機関と不動産取引その他の特別な関係がある薬局」と定義され、特別調剤基本料としてかなり低い調剤基本料となってしまう形態の薬局です。

患者さんにとっては敷地外にある薬局まで行かずに済むということもあり利便性の向上に一定の効果はありますが、医療業界からは反対の声が年々高まっています。

敷地内薬局に該当するかどうかを判断するのはどこ?

敷地内薬局は「特別調剤基本料」という施設基準に該当するため、基本的には地方厚生局の各都道府県事務所が判断することになります。

ここで間違いやすいのが、敷地内薬局に該当するかどうかを判断するのは薬局を開設する際に相談する担当者ではなく、施設基準の担当者になるということ。ただ、間違えるのも仕方ないことで、2016年9月以前は、敷地内薬局の開設自体が禁止されていたため、敷地内薬局を検討するイコール薬局の開設ができるかどうかを相談する、という考えの方が非常に多いためです。

敷地内薬局に該当する可能性があるならば、薬局開設を予定している地域の地方厚生局事務所の施設基準担当に事前相談を申し込むとよいでしょう。

敷地内薬局に該当するかどうかの判断が難しい場合

敷地内薬局に該当するかどうかが分かりやすい場合、例えば、新規で薬局を開局する際に医療機関所有の敷地に薬局を建設し、医療機関と賃貸借契約を締結するような場合であれば地方厚生局でも判断がつきやすいのですが、中には判断が難しい場合もあります。

例えば、医療機関との賃貸借関係を避けるため、医師が所有している土地の一部を購入して薬局を建設する場合、既にその土地に医療機関が存在しているのか、もしくはまだその土地に医療機関は無いが土地所有者の医師が他の地域で医療機関の開設者となっているのか、医師の資格を持っているだけで他の医療機関の開設者とはなっていない状態なのかなど、土地や医師の状況によっても判断が分かれてしまいます。

このように判断が難しく地方厚生局事務所で敷地内薬局に該当するかどうかの判断がつかない場合には、一旦保留となり他の事務所もしくは地方厚生局を取りまとめている本局へ問い合わせたりして回答が後日になることも多々あるため、地方厚生局事務所に相談に行ったからといってすぐに回答が出るとは思わないほうが無難です。

敷地内薬局に該当するかどうかの判断を仰がずに開局する場合のリスク

敷地内薬局つまり特別調剤基本料に該当するかどうかを判断するのは薬局を開設する際に相談する担当者ではないため、”うまく”やればごまかせる可能性もあります。

別法人で賃貸借契約を締結したり、第三者に不動産を購入させたり、業界関係者に話を聞くと様々な方法で特別調剤基本料を回避している例が耳に入ってきます。

ただしバレた場合には薬局だけではなく医療機関も減算対象となるなどのペナルティが課される可能性が高いため、ごまかして薬局の開設を進めるのはお勧めできません。

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