糖尿病患者さんから学ぶこと1

更新日: 2022年1月27日

今回は、いつもとは少し違う観点から糖尿病を学びましょう。これまで本当に色々な患者さんと触れ合ってきましたが、その中でも特に印象に残った患者さんを皆さんと情報共有していきたいと思います。また、これらの患者さんから自分自身が学ぶことも多く、その点についても共有できればと考えております。

金銭的な問題で糖尿病外来受診が継続できなくなった患者さん

この患者さんは33歳女性。BMI30kg/㎡弱の肥満傾向。第1子妊娠中に妊娠糖尿病と診断され、食事療法に加え、インスリンを使用し、血糖管理を行うことで無事出産。分娩後、1か月、3か月の内科フォローにより2型糖尿病発症が確認された患者さんです。本人とも相談し、第2子の挙児希望、授乳希望もあったため、強化インスリン療法を継続することとなりました。数か月間のフォローによりHbA1cは6%前半までコントロールできるようになってきていました。ところが、そこからしばらく外来でその患者さんに会わなくなり、約1年半経った頃、外来で再開することになるのです。その時に交わした会話が以下の会話です。

薬剤師:久しぶりですね。どう過ごされていましたか?大丈夫?
患者さん:実は、シングルマザーになってしまって、本当に大変だったんです。
薬剤師:そうですかぁ。それは大変でしたね。病院には行けていました?
患者さん:もう1年以上も病院にかかってなくて・・・
薬剤師:体は大丈夫??しんどくなかったです??
患者さん:もうしんどくて、しんどくて・・・・

この患者さん、治療中断となったことで体がしんどくてたまらなかった様子です。体がしんどかったのに、なぜ病院に来なくなってしまったのでしょうか?

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