外用副腎皮質ホルモン剤『エクラーⓇ(一般名:デプロドンプロピオン酸エステル)』のうち、塗布剤3規格(軟膏0.3%・クリーム0.3%・ローション0.3%)について、製造販売元である久光製薬より限定出荷および2026年11月末での最終供給・販売中止(薬価削除予定)が発表されました。
※なお、貼付剤の『エクラープラスター 20μg/c㎡』については今回の販売中止の対象外(継続)となります。現場での混同にご注意ください。
「鳥居薬品の取り扱いはどうなったんだっけ?」と思った方もいるかもしれませんが、2024年の鳥居薬品の撤退から今回の久光製薬による完全終息(塗布剤)までの経緯と、現場での対応について整理します。
エクラー塗布剤 販売中止までのタイムライン
- 2024年5月(鳥居薬品の案内) 販売元であった鳥居薬品が「アトラント」および「エクラー(塗布剤)」の販売終了を発表。2024年6月〜9月にかけて順次販売を終了し、製造販売元である久光製薬への販売一本化が行われました。
- 2026年9月(久光製薬の案内) 鳥居薬品からの移管・集約から2年後、久光製薬より塗布剤3規格の「限定出荷および販売中止のお知らせ」が発出されました。
- 対象品目:エクラー軟膏0.3% / エクラークリーム0.3% / エクラーローション0.3%(※プラスターは対象外)
- 出荷状況:D.薬価削除予定(限定出荷:自社事情)
- 限定出荷期間:2026年9月1日〜2026年11月末
- 最終供給予定:2026年11月(これをもって販売中止予定)
鳥居薬品の撤退を経て久光製薬に集約されたものの、結果として塗布剤成分そのものが市場から姿を消すことになります。
「後発品なし」「公式の代替品案内なし」という現状
今回の販売中止において、実務上押さえておくべきポイントは以下の2点です。
- 塗布剤の後発品(ジェネリック)が存在しない デプロドンプロピオン酸エステルの塗布剤には、後発品が発売されていません。そのため、久光製薬の販売中止をもって塗布剤としては成分自体が完全に市場から消滅(薬価削除)することになります。
- 公式案内にも「代替品」の記載がない 久光製薬からの案内文書には、代替品に関する推奨や記載が一切ありません。元々シェアが限定的な製剤であったこともあり、メーカー側からの指定案内はない状態での終息となります。
現場(薬局)で求められる実務対応
メーカーからの代替案内がないため、現場の薬局主導で処方元医師へ情報共有と変更提案を行う必要があります。
- 外用塗布剤(軟膏・クリーム)の切り替え提案 同一ランク(ベリーストロング群)に分類される他の主要なステロイド外用剤への変更提案が基本となります。門前クリニックの普段の処方傾向や採用状況に合わせて、あらかじめ切り替え候補の薬剤をすり合わせておくとスムーズです。
- ローション剤の切り替え提案 ローション剤を使用している患者についても、同様に同等ランクのローション製剤や、使用部位に適した外用剤への変更提案・処方調整が必要となります。
- プラスターとの誤認防止 前述の通り「エクラープラスター」は販売継続となるため、疑義照会や問い合わせの際に「エクラーという名前の製剤がすべて消える」と勘違いしないよう、院内・局内での情報共有の際も「塗布剤のみ中止」である旨を明記しておくと安全です。
まとめ
エクラー塗布剤の販売中止は、シェアの小さい製剤が販売移管を経てそのまま成分ごと終息していくという、医薬品再編のひとつのパターンと言えます。
使用患者数はそれほど多くない品目ですが、2026年11月末の最終供給に向けて、プラスターとの混同を避けつつ、処方元クリニックへの情報共有と処方チェックを進めておきましょう。
【出典・参考資料】
- 久光製薬株式会社
- 『「エクラー®軟膏 0.3%」「エクラー®クリーム 0.3%」「エクラー®ローション 0.3%」限定出荷に関するお知らせ』(2026年9月発行)
